「写真を見て、90秒間ひとりで英語を話し続ける」——Duolingo English Test(デュオリンゴ英語テスト)のSpeak about the Photoは、ルールはシンプルなのに、いざやってみると手ごわい問題形式です。話す相手はいない、ヒントもない、頼れるのは目の前の写真1枚だけ。僕も練習を始めたころは、30秒あたりで話すことがなくなって黙り込んでいました。
Kazu
DETのスピーキングで沈黙してしまう一番の原因は、英語力よりも「何をどの順番で話すか」が決まっていないことです。この記事では、90秒を話し切る「3ステップのスピーチ法」と、単語が出てこなくても止まらない言い換えのコツを、今日から使える形でお届けします。
Speak about the Photoとは?(問題形式の基本)
Speak about the Photoは、DETのSpeaking(スピーキング)タスクのひとつです。画面に表示された1枚の写真について、英語で話して説明します。指示文は「Speak about the image below for 90 seconds.(下の画像について90秒話してください)」です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 準備時間 | 20秒(写真と指示文が表示され、自動で録音画面に進む) |
| 話す時間 | 最低30秒〜最大90秒(30秒話すまで次に進めない) |
| 出題数 | 1回の試験で1問 |
| 録音 | チャンスは1回だけ(撮り直し不可)。話している間も写真は見られる |
30秒で切り上げることもできますが、それではもったいないところ。話す時間が長いほど、語彙や文法を採点エンジンに見せる材料が増えます。目安として60秒以上(50〜80語くらい)を狙えると、この英語テストでのスコアアップにつながりやすくなります。
フート先生
採点で見られていること
この問題形式は、Speakingの中でも Conversation(会話の力)と Production(英文を作る力)のスコアに効いてきます。採点エンジンが見ているのは、大きく次の4つです。
これは写っている物の名前を当てるテストではありません。見立てが多少違っても、英語として正しく伝えられていれば大丈夫。一番もったいないのは、黙ってしまうことです。
フート先生
公式練習テストの模範解答を分析してみよう
Duolingo English Testの公式練習テストでは、解答のあとに模範解答の音声を聞けます。実際のサンプル問題を見てみましょう。
南国のビーチで、木の桟橋の上に灰色の鳥が立っています。背景にはヤシの木と白い砂浜、浅い青い海。この写真に対する模範解答(約60秒・120語ほど)がこちらです。
So this photo depicts kind of a serene beach with a bird — I think maybe a heron — standing on what seems to be a wooden pier. The bird has a mix of gray and white feathers and is standing on one of its legs. It’s gazing into the distance. In the background of the photo, you can see many palm trees lining the beach. You can also see the water — it’s clear, it’s light blue, you can see the bottom of the ocean. The sky is very bright with scattered clouds. So I would say the setting of this image is very tranquil, it’s very picturesque. To me, it really looks like a tropical paradise, ideal for vacation, for relaxation.
この模範解答には、高スコアの話し方のヒントが詰まっています。ポイントは4つです。
1. 構成は「全体→主役→背景→全体の印象」
1文目で写真全体をひとことで要約(a serene beach with a bird)→ 主役の鳥にズーム(羽の色・片脚立ち・視線)→ 背景へ(ヤシの木・海・空)→ 最後に全体の印象(tranquil / picturesque)。カメラのズームのように視点を動かすことで、話が途切れません。
2. 模範解答なのに、断定していない
I think maybe a heron(たぶんサギかな)、what seems to be a wooden pier(木の桟橋のようなもの)。鳥の正体に確信がなくても、ぼかす表現でそのまま前に進んでいます。「正しく言い当てられないから黙る」ではなく「自信がないまま話し続ける」のが正解だと分かります。
3. 色と位置をこまめに添える
gray and white feathers(灰色と白の羽)、clear, light blue water(透き通った水色の海)、in the background(背景には)。名詞に色を、文に位置を添えるだけで、描写が具体的になり語彙の評価も上がります。
4. 90秒使い切らなくても成立している
この模範解答は約60秒です。大事なのは時間いっぱいまで話すことより、中身のある文を止まらずに積み重ねること。まずは60秒を安定して話せるようになるのが現実的な目標です。
Kazu
同じ写真をスコア別に話し分ける
同じ写真でも、話し方でスコア帯は変わります。先ほどのサギの写真を例に、話し分けの一例を見てみましょう。
スコア100の話し方(約45語・正確さ優先)
A gray and white bird is standing on a wooden pier. It is standing on one leg and looking far away. There are many palm trees behind it. The beach is white, and the water is blue and clear.
基本の単語と短めの文でよいので、三単現・冠詞・be動詞を落とさず正確に。まず「減点されない文」を安定して話せることが土台です。
スコア130の話し方(約60語・語彙を1段上げる)
A tall bird with gray and white feathers is standing on a wooden pier, balancing calmly on one leg. It seems to be gazing into the distance. In the background, palm trees are lining a white sandy beach, and the clear, light blue water spreads out behind it.
standing を balancing に、looking を gazing にと、1段具体的な言葉に置き換えます。形容詞や副詞は形が変わらないので、語彙を上げても文法ミスが起きにくい安全な加点ポイントです。
スコア140の話し方(推測と複文を足す)
先ほど紹介した公式の模範解答が、まさにこのレベルです。I think maybe a heron(たぶんサギかな)、it really looks like a tropical paradise(南国の楽園みたい)のように、断定を避けながらも推測と印象を複文で足しています。
まとめると、100は正確さ、130は語彙の具体化、140は推測と複文。いきなり上を狙わず、今の自分の段階をひとつずつ上げていくのがスコアアップの近道です。
90秒の話し方「3ステップのスピーチ法」(全体→細部→推測)
模範解答の構成を、誰でも再現できるように秒数で区切ったのがこの型です。90秒を3つのパートに分けて、視点を変えていきます。
準備の20秒では「4つだけ」決める
録音が始まる前の20秒で、英文を作り始めるのはおすすめしません。決めるのは「主役」「場所」「動作」「締めの一言」の4つだけ。この4点が頭にあれば、録音が始まってから迷子になりません。
止まらないための言い換えとつなぎ
名前が分からない物は、見た目と働きで説明します。サギという単語が出なければ a tall gray bird with long legs(脚の長い灰色の大きな鳥)、コーヒーメーカーなら a machine that makes coffee。言い換えて話し続けること自体が、英文を作る力のアピールになります。次の話題に移るときは You can also see… / What’s interesting is… / Next to it… のようなつなぎを使うと、沈黙が生まれません。言葉に詰まっても、言い直してそのまま続ければ大丈夫。公式も「つまずいても慌てず、立て直して続けて」と案内しています。
日本人がつまずきやすい4パターン
Kazu
1. 30秒で話が尽きる
よくあるのが There is a bird. It is white. … と単語のラベル貼りだけで終わってしまうパターン。見えた物の名前を言うだけだと、材料はすぐ尽きます。色・位置・動作を添えて1文をふくらませ、背景と推測に広げるのが3ステップスピーチの考え方です。
2. 沈黙と「えーと」が長い
日本語の会話は沈黙に寛容ですが、DETの採点は流暢さ、つまり自然な間の取り方と、つなぎ言葉への頼りすぎを見ています。考える時間がほしいときは、黙る代わりに You can also see… と言いながら次の描写対象へ視線を移すのがコツです。
3. 単語が出てこなくて止まる
正:a tall gray bird with long legs(言い換えて進む)/ 誤:「……」(沈黙)。正しい名前を当てる試験だという思い込みが、日本人の沈黙のいちばんの原因です。模範解答ですら断定していないのを思い出してください。
4. 三単現・冠詞・be動詞のミス
正:A bird is standing on a pier. / 誤:Bird standing on pier. 書くときと同じ弱点が、話すときはもっと出やすくなります。厄介なのは、話している最中は自分で気づけないこと。録音して聞き返す練習が一番の薬です。
ミスに気づいても、最初からやり直そうとしないでください。録音のチャンスは1回だけです。言い間違えたら、その場で言い直してそのまま続けるのが公式おすすめの立て直し方です。
やってはいけないこと
自宅でできる練習法
Speak about the Photoの対策は、写真とスマホの録音機能があれば今日から始められます。おすすめの手順はこの4つです。
フート先生
よくある質問(FAQ)
まとめ
最後に、Duolingo English TestのSpeak about the Photoの要点をまとめます。
Kazu

